事例紹介

パーキンソン病をきっかけにした廃用症候群

寝たきり
パーキンソン病をきっかけにした廃用症候群
ご希望 自力で体を起こして座れるようになりたい。

ある日、ケアマネージャーの方から「まずはお試しで」といった形でご連絡をいただきました。
やたらと「お試し」という言葉を強調されて話していることに、少し引っ掛かりを感じながら、約束の日時にご利用者様のお宅を訪問。

そこで、はじめてケアマネージャーの方が「お試し」という言葉を強調していた理由に気が付きました。
ご利用者様自身も、そのご家族も、訪問マッサージの効果に懐疑的で、これまでケアマネージャーの方がいくら訪問マッサージをお勧めしても、首を縦に振ってこなかったようなのです。

ご利用者様の状態を伺うと、パーキンソン病をきっかけに寝たきりの状態が続いていて、移動するときにリフトを使うほどの状況とのことでした。ご利用者様とご家族からは「自力で座れるようになりたい」とご希望を伺うも、(けど、できるの?)と信用の全くない状態から治療が始まります。初回無料体験ということで、まずは実際にお体に触れさせてもらいながら、体のどの部分が弱っていて、どの関節が固まっているのかを確かめました。ずっと寝たきりだったせいもあり、廃用症候群を引き起こし、股関節も肩関節もカチカチに固まってしまっていることがわかってきました。

そこで、股関節をしっかり柔らかくなるようマッサージでほぐしていきました。
ご利用者様とコミュニケーションをとりながら、表情を伺いながら、痛みがないことを確認しながら、ゆっくり股関節を曲げてみます。角度が90度程まで曲がりました。
「ああ、これはすぐに座れるようになりそうだ」と感じ、最終的に上半身を起こして座った姿勢(座位)をイメージして、座位保持できるようになるために重要な関節をマッサージでほぐしていきます。

全身が十分にほぐれたところで、ご利用者様の背中を軽く支えながら、上半身を起こす動作をとってみたところ、あっさりと座ることができました。ご家族の方も、ご本人様も驚き、「ずっと座ることをあきらめていた。座れるんだ」と涙を流されました。
もちろん、いきなり完璧な姿勢で座れているわけではありません。まだまだ姿勢も悪く、スムーズに曲がり切っていないところ、痛みをかばっておかしなポーズになっている部位もあります。それでも確かに、自力で座位保持できているのです。

ご利用者様本人もご家族も、ずっと寝たきりが続き、その状態から変わるわけないと思っていたのかもしれません。
自分たちで何とかする。家族だけでずっと介護していく。人には迷惑をかけたくない。そう思われて、訪問マッサージを断ってきたのかもしれません。
でも、頼れる部分は頼ればいいんです。頼ってもらいたいから、この仕事をしているんです。

良くなるか良くならないかわからないなら、やってみればいいんです。

その方については、その後も状態を見ながらマッサージを繰り返し、できることを増やしていきました。
何かにつかまって体を起こす練習、体を起こしている状態をキープする練習、手を挙げる練習……。
マッサージで痛みを取り除きながら、ゆっくりと一つ一つできることを増やして、今では立つ練習、立位保持を練習するまで機能回復が進みました。

訪問マッサージでどんなことでもできるようになるとは言えません。
ご利用者様の体の力を元に戻すためのサポートとして痛みを取り除き、無理のない機能回復訓練ができるようマッサージをしているのであって、神の手があるわけでも、超能力があるわけでもないからです
また、症状は人それぞれですし、どこまで進行しているかも千差万別。人によっては手に負えないくらい症状が悪化している場合もあります。それでも、この方のように劇的に回復される方がいらっしゃるのも事実なのです。

脳梗塞の後遺症

左手足の麻痺
脳梗塞の後遺症
ご希望 自力でトイレに行けるようになりたい。

普通にできていたことが、ある日突然できなくなってしまうというのは想像以上に辛いことだと思います。

ご利用者様の中には脳梗塞やパーキンソン病によって、自力で立ち上がることが難しい方や長時間歩くことが難しい方など、症状は人それぞれですが、以前はできていたのにできなくなってしまったという方が多くいらっしゃいます。

その方は脳梗塞の後遺症による顔面麻痺はなく、お話ししている限りでは健康そのものに見えたのですが、左手足には麻痺が残ってしまっていて、おむつをはいて過ごされていました。
その方の希望は「自分でトイレに行けるようになりたい」ということでした。手足の麻痺のせいでトイレに行きたくても誰かの手を借りないと難しいという状態だったため、自力でトイレに行くためにはどんなことができるようになる必要があるのかを整理しながら治療を進めていきました。
その方はベッドに座ることはできたのですが、自力で立つことができませんでした。介助ありで10秒ほど立位保持ができるくらい。なので、マッサージで痛みをとりながら、立位保持の練習を繰り返します。
1分、1分30秒……と、少しずつバーや手すりに掴まりながらの立位保持ができる時間が伸びてきたところで、歩く練習に移ります。

はじめのうちは歩行補助のバーを掴んで50歩も歩ければ十分だったのが、こちらもマッサージで痛みをとりながら機能回復訓練やストレッチをすることで300歩ほど歩けるようになり、介護スタッフの方の手を借りてではありますが、今ではトイレまで歩いていくことができるようになりました。
そのころにはご利用者様のやる気にも火がついて、「次は1人で歩いてトイレまで!」と次の目標を掲げられました。しかし、現状はまだ何かに掴まらなければ立位保持はできず、トイレで用を足すのは難しかったので、まずは何も掴まらずにバランスがとれるようにリハビリしていきましょうとお話をして、次の目標を設定。現在はバランス訓練を進めている段階です。

リハビリだけでは痛みに対してのケアが十分に行き届かず、残った痛みのせいでリハビリに向かうやる気も、体の可動域も、奪われてしまうという方は多く存在します。まずは痛みをとることでリハビリしやすい体をつくり、一つずつ目標を達成していく。道のりは短くもなく、楽でもありませんが、希望を叶えるためのサポートを懸命にさせていただいています。

老人性の筋力低下による足への負担

腰痛、肩こり、ふくらはぎがつる
老人性の筋力低下と背中が曲がることによる足への負担
ご希望 症状の改善

ある女性から「足が痛い」というお悩みで、症状改善のご依頼がありました。

女性は、加齢による筋力低下で背中が曲がっていることで足への負担が大きくかかっている様子で、そのためふくらはぎが頻繁につり、加えて腰痛と肩こりも発症しているようでした。
元々、鍼灸の痛みや刺激が苦手とのことでしたので、てい鍼という鍼と温灸器を使用して治療をはじめました。このてい鍼は患部に直接刺すものではなく、接触させたり、押したり、擦ったりして優しい刺激を与え、温灸器は艾(もぐさ)を電気によって温めるもので、お灸よりもじんわりとした程よい熱さを与えるため、低刺激でありながら効果を実感していただけました。

しかしある日、立ち上がろうとしてぎっくり腰になってしまった際は、いつもと同じ低刺激治療ではなく、刺す鍼での治療を提案し、痛みを改善させたこともあります。
基本的にはご利用者様、一人一人のご希望に沿って治療を進めていきますが、今回のケースのように症状に合わせて、より改善できるような治療法をご提案しています。
この女性の場合は、鍼治療でぎっくり腰を改善させた後、また低刺激治療へ戻し日常生活を快適に過ごせる状態を維持しています。

鍼灸は、麻酔効果で痛みを和らげ血行を良くし、筋肉をほぐす効果があるので、マッサージでは取り切れない奥の部分にアプローチでき、痛みをとることに特化している治療です。
現在病院で治療を受けている方で、鍼灸治療を受けてみたい方もいらっしゃると思いますが、同じ部位の同じ痛みに対しての治療は保険の使用ができません。ですが、ご自身の健康を維持したい方、症状を改善させたい方はぜひ一度、お気軽にご相談ください。